英国最大級の日本文化イベント「ハイパー・ジャパン」が2025年11月14日から16日の3日間、マンチェスターにて開催された。同イベントがロンドン以外で開催されるのは今回が初であり、期間中の来場者数は主催者目標の1万5,000人を上回る1万7,400人、出展企業は230社に達した。

ロンドンとは異なる反応とビジネスチャンス

今回の開催では、ロンドンとは異なる地方都市特有の反応が見られた。出口調査によると、和太鼓や金継ぎなどの伝統文化への関心がロンドン開催時よりも高い傾向にあり、ロンドンですでに浸透している「日本らしさ」が、地方ではより新鮮な価値として受け入れられていることが浮き彫りとなった。

出展企業については、ロンドン市場の特殊性(競争環境や人種構成)を背景に、地方でのテストマーケティングやブランド認知拡大を狙う日本企業の参加が目立った。また、マンチェスターは「BNOビザ」を利用した香港からの移住者の主要な受け皿となっており、日本文化や商品を受け入れやすいコミュニティが形成されている点も、地方展開の好機として挙げられている。

なお、2025年夏のロンドン開催では約5万3,000人を動員しており、依然としてロンドンが日本コンテンツにおけるBtoC展開の中核である構図は変わりませんが、今後の拡大には地域特性を踏まえた継続的な接点作りが鍵となると指摘されている。

伝統とポップカルチャーが融合したステージ

ステージパフォーマンスも好評であり、会場は伝統文化と現代ポップカルチャーが融合し、3日間にわたり活気に包まれたと主催者は発表している。具体的な内容としては、初日は尺八や琴の演奏に加え、神山羊が英国デビューを果たしたほか、90年代J-POPやアニソンで盛り上がりを見せた。

2日目には300人以上の観客を魅了した天狗太鼓や、シティポップ、昭和歌謡のパフォーマンスが行われた。また、平野綾が登場し『涼宮ハルヒの憂鬱』の楽曲披露やQ&Aセッションでファンを湧かせた。

最終日には剣道の実演やロックとボーカルの融合を見せたMIYUNAなどが登場した。フィナーレはマンチェスター拠点の弦楽五重奏団PlayMudが、ポケモンやジブリ、『鬼滅の刃』などの楽曲を演奏し、会場全体が一体となって幕を閉じた。

好評を博した体験型ワークショップ

また、日本文化に関するワークショップも行われ「手を使って学ぶ」ことをテーマに、4つの伝統工芸体験が実施された。割れた陶器を修復する「金継ぎ」、自分だけの葉書を作成する「書道」、現代風の正月飾りを作る「しめ縄」、そして「折り紙」のワークショップがいずれも好評を博した。

今後の展望

今回のイベントの特筆すべき点は、マンチェスターというロンドン都市圏から遠く離れた都市においてこのような日本文化に関するイベントが好評を博した点であり、ロンドン以外の都市部にも日本文化への関心の高い層、すなわち潜在的な日本文化ファンが多数居住していることが明らかになったと言えるだろう。

一般的に、日本文化を含めた異文化交流に関するイベントは首都やその周辺の都市部で行われることが多いが、今回のイベントの成功は、今後の日本文化発信において、地方都市も無視できない潜在力を秘めていることを示唆するものと言える。

参考

https://hyperjapan.co.uk/manchester-news/hyper-japan-manchester-2025-photo-report-workshop/

https://hyperjapan.co.uk/manchester/

https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/12/fd84afcaa89f0b98.html